インプラント治療で拒絶反応が起こるケースがある?腫れた場合の対処法も解説

インプラント治療とは、あごの骨に人口歯根を埋め込みその上に人口歯を取り付けることで

永久歯同様の美しい自然な見た目と、固いものもしっかり噛める咀嚼力を取り戻すことができます。

この記事を読んでいるあなたも、インプラント治療を考えているのではないでしょうか?

しかし、インプラント治療は拒絶反応が起きるリスクがあります!

この記事では、拒絶反応が起きる原因とその対処方法を解説します。

<h2>インプラント治療の特徴や流れ</h2>

Q:インプラント治療の特徴を教えてください。

A:インプラント治療は失った永久歯の箇所に人口歯根を埋め込み、その上に人口歯を取り付ける治療方法です。

入れ歯やブリッジと異なり、取り換えの必要がありません。

 

インプラント治療は先天性の疾患や事故などの一部のケースを除き、保険適用外です。

そのため、インプラント1本あたり30万~40万円が治療費としてかかります。

インプラントは3つの構造から成り立ちます。

  • インプラント体
    顎の骨に埋め込む人口歯根
  • 連結部
    人口歯根と人口歯を繋ぐパーツ
  • 人口歯
    永久歯のような自然な見た目の人口歯

 

Q:どのような流れで治療が行われますか?

A:インプラント治療は次の流れで治療後のメンテナンスまで完了します。

  • 【ステップ1】 カウンセリング
  • 【ステップ2】 検査・治療計画・ご契約
  • 【ステップ3】 一次処置 インプラント埋入
  • 【ステップ4】抜歯・仮歯調整(インプラント埋入手術後2週間)
  • 【ステップ5】待機期間
  • 【ステップ6】二次処置  アバットメント取付
  • 【ステップ7】型取り
  • 【ステップ8】完成

 

カウンセリングではインプラント治療への疑問やお悩みを先生と相談します。

ここで治療を始める前に心配なことは、しっかりと先生と相談しましょう。

歯周病の検査を終えたら、次はCTスキャンによるあごの骨の密度や量の検査です。

インプラントを顎の骨に埋め込み、およそ2週間後に抜歯します。

2~3カ月の待機期間で骨とインプラントが完全に結合します。

インプラントと人口歯を連結するパーツを取り付けます。

患者にあわせたインプラントの型取りを行います。

人口歯を取り付け完成です。

 

Q:インプラント治療の成功率はどのくらいですか?

A:インプラント治療の成功率は90%以上です。

治療後10~15年のインプラント生存率は上顎で約90%、下顎で約94%です。

下顎の骨は上顎の骨よりも骨密度が高くしっかりと固定できるため、上顎よりも生存率が4%高くなっています。

参考|厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業」歯科インプラント治療のための Q&A

 

インプラントが失敗する主な原因

  • インプラントが顎の骨と結合できていない
  • 治療後のケアを怠っている
  • 歯ぎしりや食いしばり
  • 細菌感染
  • 喫煙

治療後は忘れずに定期検査に行きましょう。

少しでも違和感を感じたら迷わずに検査してください。

高額な治療費を払って失敗したら元も子もないですよね。

傷口からの細菌感染を防ぐには、日々の口内ケアが大切です。

 

喫煙はニコチンにより血管を収縮するため、創傷治癒に必要となる局所の血流と酸素の運搬が不足します。

さらに、結合部にも悪影響をあたえインプラント周囲に炎症を引き起こす可能性があります。

参考|厚生労働省 歯科インプラント治療指針

 

<h2>インプラント治療で拒絶反応が起こるケースがある?</h2>

Q:インプラント治療で拒絶反応が起こるケースはありますか?

A:2~3%の確率で拒絶反応が起こるケースがあります。

主なケースは、金属アレルギーによる接触皮膚炎やインプラントを異物とみなす体内の免疫反応です。

 

Q:拒絶反応の原因を教えてください。

A:拒絶反応の原因は、体内の異物を体外へ排出しようとおこる免疫反応です。

汗や唾液が金属に長時間に接触し続けると、金属から金属イオンが溶け出します。

皮膚のたんぱく質と溶け出した金属イオンが結合すると、体が異物とみなして拒絶反応を起こします。

「金属アレルギーかも」疑われる方は、インプラント治療前に内科や皮膚科等で受診しましょう。

 

Q:拒絶反応が起こった場合どのような症状が出るのですか?

A:拒絶反応が起こった場合次のような症状が出る可能性があります。

  • インプラント治療部の腫れ
  • 金属アレルギーによる全身の湿疹・掌蹠膿疱症・水疱・身体のかゆみ・皮膚の紅斑

 

金属アレルギーによる拒絶反応は、金属と接触している治療部や全身に症状が出る可能性があります。

歯科金属アレルギーと診断された患者の口腔内症状出現率は2~3%で、ほとんどの方が全身に現れています。

参考|厚生労働省 第14回アレルギー疾患対策推進協議会資料 歯科金属アレルギーと医科歯科連携

 

Q:拒絶反応が起こるとインプラントは抜けてしまいますか?

A:拒絶反応が起こるとインプラントは抜けてしまう恐れがあります。

体内の異物を体外へ排出しようとおこる免疫反応により、インプラントが顎の骨と結合できない場合があります。

結合が失敗すると、当然インプラントは抜けてしまいます。

拒絶反応により結合が失敗する確率は2~3%、つまり30~50本に1本が抜けてしまいます。

治療後は少しでも痛みや違和感を感じたら、迷わずにに受診しましょう。

 

Q:拒絶反応が起こりにくい素材はありますか?

A:セラミックス素材のジルコニアがあります。

インプラント治療では、生体親和性が高い金属とされているチタンが使用されます。

チタンには微量なニッケルやクロム、パラジウムなどの金属が含まれているため、金属アレルギーを発症する可能性があります。

ジルコニアはセラミック素材のため金属アレルギーの心配がなく、高い強度を持っています。

しかし、高い強度を持つゆえに顎への負担が大きいことや、1本あたり40~50万円と高額です。

 

<h2>拒絶反応で歯茎が腫れた場合の対処法</h2>

Q:拒絶反応が起こった場合どのような処置が行われますか?

A:拒絶反応が起こった場合、免疫反応の抗原であるインプラントを除去します。

金属アレルギーは抗原となっている物質を除去しなければ、再び金属アレルギーを引き起こす恐れがあります。

インプラントを除去しても、すぐに腫れが収まるとは限らないので、しばらく安静にしてください。

インプラント除去後は、使用する素材の変更や入れ歯やブリッジなどの、別の治療法を選択する必要があります。

 

Q:歯茎が腫れた場合の対処法を教えてください。

A:歯茎が腫れた場合は次の対処法があります。

  • 患部を冷やす
  • 処方薬を服用する
  • 口内を清潔にする
  • 血行が促進される行動を控える

 

すぐにできる対処法は、患部を冷やすことです。

保冷剤をタオルで包み、患部に軽く当てるように冷やしてください。

治療後は痛み止めや抗生物質が処方されます。

痛みが治まったからといって、抗生物質の服用を中止してしまうと、腫れが再発する可能性があります。

処方された薬は必ず服用しましょう。

 

細菌の増殖を抑えるために、治療箇所を避けつつ歯磨きをしっかり行うことが大切です。

治療箇所以外は歯ブラシで丁寧に磨き、傷口はうがい薬を使用して清潔に保ちましょう。

血行が良くなる行動はいいように思えますが、かえって痛みが強くなる恐れがあります。

次の行動は控えてください。

  • 飲酒
  • 入浴
  • 激しい運動

治療後2~3日は安静に過ごすようにしましょう。

完治までの道のりが遠回りになりかねません。

<h2>編集部まとめ</h2>

いかがでしたか?

今回はインプラント治療で拒絶反応が起こるケースと、腫れた時の対処法について解説しました。

拒絶反応が起こるケースは、金属アレルギーによる、体内の免疫反応です。

必ずしも拒絶反応が起こるわけではないですが、これからインプラント治療を考えている方は気持ちの準備をしておく必要があります。

金属アレルギーをお持ちの方は、最初からジルコニアインプラントを検討してはいかがでしょうか?

治療後に腫れてしまったら、すぐにできる対処法は患部を冷やし、処方薬を服用することです。

対処方法を知っていれば安心ですよね。

痛みが続くようなときは必ず歯科医師の診察を受けましょう。